ホンダのリトルカブは、そのコンパクトなボディと優れた実用性で、長年にわたって多くのライダーから愛され続けているバイクです。新車での販売は終了していますが、中古市場では今でも高い人気を誇り、初心者からベテランまで幅広い層に支持されています。
しかし、中古リトルカブの購入を検討する際には、価格相場の把握や車両の状態確認、キャブ車とインジェクション車の違いなど、知っておくべきポイントが数多くあります。適切な知識なしに購入してしまうと、思わぬトラブルや追加費用に見舞われる可能性もあります。
本記事では、中古リトルカブが愛され続ける理由から始まり、価格相場の現状、購入時の注意点、そして失敗しないための具体的なチェックポイントまで、中古リトルカブ購入に必要な情報を網羅的に解説します。これから中古リトルカブの購入を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
1. 中古リトルカブが今も愛され続ける4つの理由

リトルカブは、そのレトロなデザインと優れた性能から、今日でも多くのライダーに親しまれています。ここでは、リトルカブの魅力を深く探ってみましょう。
燃費の良さと低コスト
リトルカブの特徴的な点は、50cc エンジンの搭載による高い燃費性能です。具体的には、リトルカブはなんと1リットルあたり45-60kmの走行が可能だと言われており、日常的な通勤や通学におけるガソリン代を大幅に抑えることができます。この優れた燃費は、特に以下のような利用者に喜ばれています。
- 初めてバイクを手にする学生や若いライダー
- 経済的な理由から維持費が気になる方
- 2台目のバイクを検討している方
高い耐久性
リトルカブは「故障知らず」と評判です。そのシンプルな設計と頑丈なエンジンは、購入後も長い間安心して楽しむことができ、適切なメンテナンスを行えば、何千キロ、さらには何万キロも使用可能です。以下の点が、リトルカブの耐久性を支える要素となっています。
- 定期的なメンテナンスで予期しないトラブルを防げる
- 壊れても部品交換が容易
- 10年以上の運用実績を持つオーナーも少なくない
豊富なカスタムパーツ
リトルカブの特徴の一つは、愛好者が自身の個性を表現できる豊富なカスタムパーツが揃っていることです。オーナーたちは、以下のようなカスタマイズを通じて、自分だけのスタイルを楽しむことができます。
- 音や見た目を変えるマフラー交換
- デザインや快適性を重視したシートのカスタマイズ
- 外装パーツを変更してユニークなスタイルに
このようなカスタマイズのしやすさも、リトルカブに対して愛着が湧く理由の一つです。
小回りが利く車体サイズ
リトルカブは、そのコンパクトな車体のおかげで狭いスペースでも運転しやすく、特に都市部や狭い道での操作性が優れています。この特長は、以下のような方に特に向いています。
- バイクが初めての方や運転に自信がない方
- 女性や小柄なライダーでも楽に扱える
- 駐輪スペースに困りたくない方
このような利点から、リトルカブは運転の楽しさを求める多くの人々に人気があります。
2. 中古リトルカブの価格相場と激安車両の落とし穴

中古リトルカブはその人気から、相場が常に変動しています。年式や車体の状態、走行距離によって価格は大きく異なります。購入を検討する際には、これらの要素をしっかりと理解することが重要です。
中古相場の現状
リトルカブの中古市場では、例えば以下のような価格の目安があります:
- 走行距離5,000km未満: 平均約11万円前後
- 走行距離20,000km超: 平均3~5万円台
- 限定モデルや特別仕様: 20万円台に達する場合も
これらの価格はあくまで目安であり、実際には状態やカスタムの有無、さらには市場の供給状況によって変動する可能性があります。状態が良好なものは、長く乗る価値があるため、その価格には十分に見合う価値があるといえるでしょう。
激安車両のリスク
一方、激安の中古リトルカブに惹かれて購入すると、思わぬトラブルに見舞われることがあります。特に注意が必要なポイントを以下に挙げます。
注意すべきポイント
- サビや腐食: 特に古い車体や外で保管されていたものは、サビが進行していることが多いです。
- 事故歴やフレーム修復歴: 売主が隠している可能性があり、見えない部分に大きな問題が潜んでいることも。
- メンテナンス履歴の不透明: 適切なメンテナンスが施されていない場合、購入後に改修費用がかさむ可能性があります。
激安だからといって安易に選んでしまうと、後々の修理費用が積もり積もって高くつくことになりかねません。したがって、「激安車両」に飛びつくのは避け、適した価格の車体をよく選ぶことが賢明です。
中古購入時のチェックポイント
理想のリトルカブを見つけるためには、以下のチェックポイントを確認しておくことが重要です:
- 年式と走行距離の確認
- 外装やエンジンの状態を詳しく点検
- 購入前に現車確認を行うこと
- 不明点や疑問はしっかりと売主に質問する
特に、現車確認は自身の目で車体を確かめられる貴重なチャンスです。気になる箇所はしっかりとチェックし、不安を感じる場合は購入を見送る勇気も時には必要です。
3. キャブ車とインジェクション車の違いを知っておこう

中古リトルカブを購入する際には、キャブレター車(キャブ車)とインジェクション車(FI車)の違いを理解しておくことが重要です。この2つのタイプは、それぞれ異なる特性を持ち、購入後の利用体験に大きく影響を与えます。
キャブレター車の特徴
キャブ車は、シンプルでクラシックな技術を使用しています。以下のような特長があります。
- カスタム性が高い: キャブ車はパーツの交換が簡単で、愛好者が自分好みにカスタマイズすることができます。自分だけのオリジナル仕様を楽しむことができるのが魅力です。
- メンテナンスの容易さ: キャブ調整などの作業は比較的簡単で、自分で手を加えることができるため、DIYを楽しむバイクユーザーには嬉しいポイントです。
- 特有の音とフィーリング: キャブ車はエンジンサウンドが特徴的で、バイク好きには愛される要因のひとつです。
しかし、キャブ車にも注意点があります。整備不足や調整ミスが故障の原因となることがあるため、適切なメンテナンスが不可欠です。
インジェクション車の特徴
一方、インジェクション車は、より現代的な技術を用いたバイクです。主な特長は次の通りです。
- 始動性の良さ: FI車は温度や条件に左右されず、スムーズに始動できます。特に冷え込む季節でもストレスなくエンジンをかけることができるのが最大の魅力です。
- 安定した走行性能: インジェクションシステムにより、一貫した燃料噴射が行われるため、走行中のトルクやパワーが安定します。日常の通勤やアウトドアにも適しています。
- メンテナンス頻度が少ない: キャブ車に比べて整備の頻度が少なく、手間がかかりません。初心者や忙しい人にも最適です。
ただし、FI車はカスタムには限界があるため、自分好みにいじくりたいという方には物足りないかもしれません。
まとめておくべきポイント
- カスタムの自由度: キャブ車は高いカスタム性、FI車は安定性。
- 整備スキル: キャブ車はメンテナンスが必須、FI車はお手入れが楽。
- 始動性: インジェクション車は優れた始動性を持つ。
- 用途に応じた選択: 通勤や普段使いにはFI車、カスタムを楽しむためにはキャブ車が向いています。
中古リトルカブを選ぶ際は、これらの違いをしっかり把握し、自分のライフスタイルやバイクの使い方に合ったモデルを選ぶことが成功への第一歩です。
4. 中古購入で絶対チェックすべき7つの注意点

中古のリトルカブを選ぶ際には、失敗を未然に防ぐための大切なポイントがあります。この記事では、中古リトルカブ購入時に特に注意して確認すべき7つのポイントを詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
1. エンジンの異音を確認する
バイクの心臓部ともいえるエンジンは、状態確認が特に重要です。エンジンから異音が聞こえる場合、内部に深刻な問題があるかもしれません。チェックリストを以下に示します。
- エンジンの始動音:エンジン始動時に異常な音がないか、しっかり耳を傾けましょう。
- 加速時の音:アクセルを開けた際に異常音がしないか確認してください。
- オイル漏れの有無:オイルが漏れていないか、目で確認することが重要です。
2. ガソリンタンクの内部に錆がないか確認
ガソリンタンクの状態は見落とされがちですが、エンジンに与える影響は大きいです。内部に錆が発生すると、エンジンに不具合が生じる可能性があります。以下の点をしっかり確認しましょう。
- タンク内部の視認:タンク内をライトで照らし、錆がないかチェックします。
- 異臭を確認:錆の臭いがする場合は要注意です。
- 燃料コックの状態:燃料コックを開き、内部の状態を確認することも大切です。
3. フレームやハンドルの歪みをチェック
フレームやハンドルに歪みがあると、走行性能に影響を与えることがあります。事故歴が疑われる場合には特に注意が必要ですので、次のことを確認してください。
- ハンドルの高さ:手で触れ、微妙な高さの違いがないかを確認します。
- フロントフォークの整列:フロントフォークやタイヤが真っ直ぐに整っているかをチェックしましょう。
- 溶接部の状態:フレームの溶接部分に亀裂や過度に修理された跡がないか確認することも重要です。
4. 走行距離と寿命の考慮
リトルカブの走行距離と耐用年数は、購入時にとても重要です。以下の基準を参考にしてください。
- 5,000km未満:状態が良好で、モデルが新しい可能性があります。
- 30,000km超:消耗品の交換歴をしっかり確認することをお勧めします。
- 50,000km前後:寿命の指標ですが、適切なメンテナンスがされていればまだまだ元気に走れることもあります。
5. リアフェンダーの腐食状態を確認
リアフェンダーは水や泥が付着しやすく、腐食が起こりがちな部分です。以下のポイントに注意して丁寧にチェックを行いましょう。
- 塗装の剥がれや錆:目視で状態をしっかり確認してください。
- 深刻な腐食の有無:大きな腐食が見られる場合は、修理の履歴を確認することが関係します。
- リアランプ周辺の傷:リアランプやウィンカーの周辺も忘れずにチェックしましょう。
6. 消耗品の状態について確認
タイヤやチェーンといった消耗品は、中古車選びにおいて必ず確認が必要です。次のポイントに注意を払いましょう。
- タイヤの溝:摩耗や亀裂がないか、しっかりとチェックします。
- チェーンの状態:緩みや錆がないかを手で触って確認してください。
- ブレーキパッドの残量:ブレーキの効き具合を実際に試して状況を把握しましょう。
7. 電装系の機能を確認する
電装系の正常な機能は、安全運転に欠かせない要素です。次の点をしっかりと確認してください。
- ライトの明るさと点灯状況:特にフロントライトやテールランプが正しく機能しているか確認します。
- ウインカーの動作:左側と右側のウインカーが正常に作動するか確認することが大切です。
- バッテリーの状態:充電状況や電圧をしっかりと確認し、問題があれば事前に対処しましょう。
これらの注意ポイントを意識することによって、中古のリトルカブを安心して選ぶことができます。特に人気のリトルカブは需要が高いため、慎重に選んで素晴らしいバイクライフを楽しみましょう。
5. 購入先別のメリット・デメリット徹底比較

中古リトルカブの購入を検討する際には、複数の選択肢があります。それぞれの購入先は独自の特徴やメリット・デメリットを持つため、自分のニーズに最も適した方法を理解することが肝心です。本稿では、大手バイク販売店、地域のバイクショップ、そしてネットオークションの3つの購入経路について詳しく見ていきます。
大手バイク販売店
メリット
- 豊富な保証とアフターサービス
大手バイク販売店であるレッドバロンなどでは、購入後の保証やサポートが充実しています。初めて中古リトルカブを手に入れる方にとっても安心できる環境が整っています。 - 整備履歴の確認が可能
過去の整備履歴や車両のコンディションが明確に示されているため、自身が購入するバイクの状態を把握しやすいのが魅力です。
デメリット
- 価格が高めになることが多い
高品質なサービスを提供しているため、その分価格は他の購入先と比べて高くなる傾向があります。 - 個別サポートが難しい場合も
大規模な店舗では、スタッフとの距離感が生じることがあり、個別の相談に乗ってもらうのが難しくなることがあります。
地域のバイクショップ
メリット
- 親切な相談が受けられる
地域密着型の小さなバイクショップは、丁寧な対応が特徴です。細かい質問や要望について気軽に相談でき、多くの方にとって居心地の良い環境を提供しています。 - 地元に根ざしたサービス
地域特有のニーズを理解しているため、アフターサポートがよりきめ細やかです、長期的に良好な関係を築くことができます。
デメリット
- 保証が弱いことがある
大手に比べて保証内容が限られているため、購入時にリスクを抱えることがあります。 - 在庫の選択肢が狭い
小規模な店舗では、希望するモデルの取り扱いがないことがあり、選択肢が限られる場合が多いです。
ネットオークション
メリット
- 非常にリーズナブルな価格で手に入る
ネットオークションを利用すれば、中古リトルカブを特にお得な価格帯で購入できるため、コストを重視している方には特におすすめです。 - 多種多様な選択肢が揃う
全国各地からの中古車両が見つかるため、理想のモデルが見つかる可能性が高まります。
デメリット
- 現物確認が難しい場合が多い
実際の車両を見せてもらえないことが多く、買う前に状態や問題点を確認するのが難しいです。 - トラブル時のアフター対応が大変
購入後に何らかの問題が発生した場合、連絡が取りづらかったり、対処が難しくなることが多く、特に知識がない方にはリスクを伴います。
中古リトルカブを選ぶ際には、以上に挙げたそれぞれのメリットとデメリットをしっかりと理解し、自己の状況やリクエストに最もふさわしい購入先を選択することが重要です。購入後も快適にリトルカブライフを楽しむためには、事前に慎重に選択肢を検討することが不可欠です。
まとめ
中古リトルカブは、燃費の良さや高い耐久性、カスタマイズの自由度といった魅力から、今でも多くのライダーに支持されています。価格相場やキャブ車とFI車の違いなど、購入時の重要な知識を押さえ、さらに購入先の特徴を理解することで、理想のリトルカブを見つけることができます。中古車選びは慎重に行う必要がありますが、これらの情報を参考にすれば、リトルカブを長年にわたって快適に楽しめるはずです。中古のリトルカブは魅力的な選択肢の一つですので、ぜひ検討してみてください。
よくある質問
リトルカブの燃費はどのくらいですか?
リトルカブは、50ccエンジンの搭載により1リットルあたり45-60kmの高い燃費性能を発揮します。日常的な通勤や通学におけるガソリン代を大幅に抑えることができる、経済的なバイクといえます。
リトルカブは長く使えますか?
リトルカブは「故障知らず」と評判で、適切なメンテナンスを行えば、何千キロ、さらには何万キロも安心して長く使用することができます。定期的なオーバーホールと簡単な部品交換で、長年の運用が可能です。
リトルカブをカスタマイズできますか?
リトルカブには多数のカスタムパーツが用意されており、オーナーが自身の個性を存分に表現できます。音や見た目を変えるマフラー交換やシートのカスタマイズ、外装パーツの変更など、自分だけのオリジナルスタイルを楽しめます。
キャブ車とインジェクション車の違いは何ですか?
キャブ車はクラシックな技術を使用し、カスタム性が高く整備が容易ですが、メンテナンス不足が故障の原因となる可能性があります。一方、インジェクション車は始動性が良く安定した走行性能を持ちますが、カスタムの自由度が限られます。用途に応じて適切なタイプを選択することが重要です。

